湘南SDGsネットワーク発足にあたって、藤沢市市民活動推進センター SDGs推進アドバイザーおよび、認定NPO法人藤沢市民活動推進機構(本ネットワーク事務局)理事長より応援メッセージです。

今後、湘南SDGsネットワークへ積極的に関わって頂く予定で、それぞれの立場を代表してメッセージを頂きました。

松村 はるみ 様

(藤沢市市民活動推進センター SDGs推進アドバイザー)

 SDGsという言葉は、今や聞いたことのない人がいないほど、広く知られるようになりました。地球と人類を将来にわたって守るために、国連が呼びかけるSDGsの大きな課題は2つ、地球温暖化問題と2050年には97億人になるといわれる世界の人口増加問題です。SDGsで目指す「誰ひとりとり残さない」社会は、気温上昇を1.5℃に抑えて自然の豊かさを守り、97億人すべての人が生きていくことのできる社会です。この課題はあらゆる領域につながっており、その一つ一つの問題解決の積み上げを支えるのがSDGsの17の目標です。17の目標の特徴は、「人が主語」になる参画型の目標であることです。だからこそ生活の場に根ざした活動が重要になるのです。
 私たちの地域でも自治体がSDGs推進の方針を打ち出しており、特に温室効果ガスについては、2030年46%削減、2050年実質ゼロと、日本の国の目標と足並みをそろえています。私たちにとっての具体的目標は一人当りのゴミ排出量の削減、電力使用量の削減などです。事業活動を営む企業も、全国型企業を筆頭に温室効果ガス削減目標と活動計画を設定し、達成にむけて地域の事業所で励んでいます。目標の総和が地域全体の目標であり、ひいては日本の国の目標につながっていくわけですね。
 持続可能な社会に向けては、公共の場も事業所も生活の場も、みんなが手を携えて資源循環型社会を作ることが求められているのです。食材を無駄なくおいしく食べる、ゴミを出さずにリサイクルし自然を守る、エネルギーの使用を抑える、そしてお互いに分かち合う…
湘南の地で活動する企業・NPO・学校・自治体や多くの団体そして個人個人が「湘南SDGsネットワーク」に参加してつながりあい、ともに取り組んでいくことを願っています。

手塚 明美 様

(認定NPO法人藤沢市民活動推進機構 理事長/一般社団法人ソーシャルコーディネートかながわ 代表理事)

「SDGs(持続可能な開発目標)」は、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すために掲げられた国際目標で、貧困や飢餓の解決、地球環境の保護、差別の撤廃など17のゴールで構成されています。その前身と言われる「MDGs(ミレニアム開発目標)」が動いている中、2010年頃から、MDGsの達成時期である2015年以降の取り組みについて議論が始まり、2015年9月、国連サミットにおいて、各国・地域の事情に配慮しながらも、「誰1人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」のため、2030年を年限とする17の国際目標が全会一致で採択され「SDGs」が誕生しました。

 日本国内では、採択された開発目標のゴールに向け、行政や企業をはじめ、既存の様々な主体が積極的な姿勢を取り動き出しました。NPOなど市民活動組織も認識を新たに取り組む姿勢を打ち出した組織も多い一方で、実施している活動そのものが既にSDGsのゴールを目指した活動となっていることから、新たな動きへの関心が高いと言えないことが課題と捉えています。 市民活動の原点は社会的な課題に目を向け、自治力を発揮することにあります。その手法として、行政では踏み込めないと思われるような、画期的であり創造性を伴う多様な活動が展開されているため、市民活動とSDGsのゴールは親和性が高く、意識せずともゴールに向かっています。市民活動組織による自治力を見える化する方法の一つとして、市民向けの活動発表や報告などに、SDGsの17のゴールを意識すると、参加者や受益者の共感や理解が広がるのではないかと思います。今回ネットワークの構築に向け、様々な活動主体と関係性を強め、それぞれの主体がそれぞれの取り組みを実行し、その姿を共有することによる社会の変容を実感していきたいと考えています。